大川さんとご両親が訪ねてきてくださって、お話をする中で、忘れていたことをいろいろ思い出しました。
思い起こせば、ジョブサポートを開所する前に、1997年~1999年頃ジョブサポート研究会として定期的にやっていた勉強会に、大川さんのお母様が参加されたのが初めての出会いでした。
西日本新聞の無料の「掲示板」に載せてもらった定例会のお知らせを見て、来てくださったのでした。
当時のことをお話しする中で、「あんなちっぽけなお知らせ記事を見て、よく来てくださいましたねえ」と感心すると、「あの頃は、障がいのある息子がどうやって生きて行けるかを考えて、必死でした」「宗教団体かなあとも思ったんですけど、そうだったら、入らなければいいのだからと思って参加しました」と。
宗教団体って・・・・? 初めて聞いた話でした。
私たちは大真面目に、「施設から出て、社会の中で働きたい」「いつまでも親の世話にならずに、自立して働き暮らしたい」と思っている障がいのある人は、たくさんおられるはずだと考えて動いていたのですが、
「宗教団体と?・・ ムムム・・・、そっか、そんな風に見られていたのか・・も」と、びっくりやら、おかしいやら・・・・。
振り返ってみると、確かに、当時としては相当に変なこと、夢みたいな話をしていたのかもしれません。
あの頃、ハローワークに、アドバイスをいただきたくて「障がいのある方の就労支援をやりたいと考えているのです」と相談したところ、「就労支援は、ハローワークしかできません!」とぴしゃっと言われたことも思い出しました。
また、ある人からは「あなたがやりたいと言っていることを聞いた時には、この人は、何を言っているのかしらと、全然理解できなかったの。でも、自分の子どもに障がいがあることがわかってから、やっとあなたの言っていたことが、そういうことなのかと、わかったのよ」と、数年後に事業所を訪ねてきてくださったこともありました。
3人が来てくださったおかげで、元気な大川さんご家族と再会できたのはもちろん、25年前を懐かしく思い出すことができましたし、働いてきた障がいのある人が、働き盛りを過ぎた先の、支援の場の必要を考えるきっかけにもなりました。