通勤時にいつも通る踏切でのできごとです。
今朝はいつもに増して遮断機の降りている時間が長く、長い車の列が続いていました。
ノロノロと進んで、やっと踏切が近づいてきました。ようやく遮断機が上がって前の車が進み出して、さあ!とアクセルを踏もうとした瞬間、再びカンカンカンカンと警報機が鳴り出して遮断機が降り始めました。あああ!とブレーキを踏み、踏切を越えて行く前の車を眺めているしかありませんでした。
4つの線路がある踏切なので、時々こんなことがあります。
踏切内に入った途端に遮断機が降り始めたので、踏切内に入った車や自転車、人々は、慌てて進んでいました。
「あ~あ!また待つのかあ」とうんざりしながら、ふと見ると、杖をついている年配の男性が身体を傾けて歩いて来ているのが見えました。必死で急いでいる様子ですが、なかなか進みません。その男性の進み具合では、大丈夫だろうかと心配になる距離がありました。
エッ!?エッ!?と思った瞬間、その男性とすれ違った女性が振り返って、男性の身体を支えながら踏切の外に一緒に出られたのです。
ホンの数秒のことだったろうと思いますが、本当にハラハラしましたし、踏切の外に出られた時は心底ホッとしました。
自分の行く方向とは反対だったにもかかわらず、体の不自由な男性が外に出られるのを助けたその女性に拍手を送りたかったです。
・・・・と、ここまで書いてきて、
私は、その光景を前にして、何の行動も起こさず、眺めていただけだった。ハラハラして、ホッとして、うれしくなっていただけだった・・・と思い至りました。
車から降りて、この二人を助ける行動ができたかもしれません。降りた遮断機の下をくぐるのに苦慮されていた二人を、遮断機の外から助けることぐらいできたかもしれません。
結果的には何もできなかったとしても、助けようとすべきでした。
なのに、私は運転席に座ったままハラハラしただけでした。
こうして書いていて「ああ、そうだった!」と思い至るのですから、お恥ずかしい。
ただ、そんな私でも、その女性と同じ状況に遭遇したら、きっと同じように動いただろうと思います。目の前に危険に迫っていて、自分しかいない!と思ったら、どうしようか?なんて考える前に身体が動いているだろうなと思うのです。
それが、他にも大勢の人がいると動かない、無意識の中で自分でなくてもと思って動かないという社会心理学で証明済みの行動パターンで、危機的な状況に巡り合った時の自分も、まさにこの行動パターンを取っていました。
もう少し積極的な行動ができるようになりたいものだと反省。
元々、今朝の出勤時の「ギョッとして」「ハラハラして」「ホッとして」「うれしくなった」出来事をご報告するつもりで書き始めたのですが、少々シリアスな話になりました。
ともあれ、あの男性が助かってよかった! あの女性に拍手!