「新型コロナウイルスと折り合いをつける」

 世界中が「新型コロナ感染症」一色です。
 世界各地で厳しい状況が続いていますし、これからどうなって行くのか、誰もわかりません。感染者も、亡くなった方もどんどん増えています。

 福岡も例外ではなく、感染者がじわっと増えてきています。
 マスクも足りませんし、消毒薬もいつ配達されるのかわかりません。

 「体調不良で・・」「熱が・・・」とか電話があるとドキドキします。
 今のところ、利用者さんもスタッフも感染はありませんが、いつ起こっても不思議ではありません。
 誰も免疫を持たない未知のウイルスなので、治療法も予防法も見えていません。
 これから少しずつ治療法や予防法がわかってくるでしょうが、長い時間がかかることでしょう。

 ところで、
 解剖学者の養老孟司さんが、コロナウイルスについての発言された「登場してしまったからには共存するしかない」を聞いて、荒唐無稽な話ですが、セイタカアワダチソウのことを思い出しました。
 ずいぶん前のことですが、セイタカアワダチソウがものすごい勢いで日本中に繁殖したことがありました。その傍若無人な姿カタチは、日本の優しい風景にはすごく違和感があったことを覚えています。
 私たちのなじみの秋の風景であるススキの群生がどんどん浸食されて、一面真っ黄色のセイタカアワダチソウ群になってしまいました。
 ところが、いつの頃からか、そのセイタカアワダチソウが、だんだんと小さくなってきました。今では、ススキが勢いを取り戻して、その片隅に可愛らしいセイタカアワダチソウが黄色い色どりを添えていて、全く違和感がありません。
 植物学的には、なぜそうなったのか説明のつくことだろうと思いますが、素人目には、外来種であるセイタカアワダチソウが日本化したのだと思えるのです。
 原産国がどこか知りませんが、そこでは猛々しく戦わねば生き残れなかったセイタカアワダチソウが、日本の自然と折り合いをつけたように思えるし、日本の在来の植物も、セイタカアワダチソウを受け入れたのだと、私には思えます。

 植物や動物など自然の中で生きている者同士が、ほどほどに折り合いをつけて生きて行くことは、私たち日本人には良くも悪くもなじみの生き方です。

 折り合いをつけるって、共存することでしょう。
 私たちがコロナウイルスと折り合いをつけ共存するためには、どれぐらいの時間が必要なのでしょうか。